ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展

ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 古代エジプト展

ヨーロッパ5大エジプト・コレクションのひとつ、ライデン国立古代博物館から約250点が来日! 

今展に出品されるミイラの中から人間のミイラ3体と動物のミイラ1体を選び、今展のために最新のCTスキャン技術で調査を行い、その成果を世界初公開されます。

古代エジプト展 ライデン国立古代博物館について

オランダ最古の大学都市ライデンの中心部にあるライデン国立古代博物館は、オランダ王国の初代国王ウィレム1世によって1818年に設立された、200年以上の歴史を誇る博物館です。17世紀前半にライデン大学が所蔵していた遺物を基盤としたエジプト・コレクションは現在約2万5千点にのぼり、ヨーロッパにおける5大コレクションのひとつとされています。

また、同館は今日にいたるまで60年以上にわたりエジプトでの発掘調査を行なっていることでも広く知られます。 1960年代にアスワン・ハイ・ダムが建設された際、オランダはユネスコとともに周辺地域における考古学調査の支援を行いました。 その活動を通してエジプト政府との良好な関係が生まれ、遺物の一部を持ち帰ることが許されたほか、ダムの底に沈む運命にあったタフェー神殿はオランダに贈られ、現在ライデン国立古代博物館の一階ロビーに移築されています。

また1970年代からはカイロ南西に位置するサッカラでの発掘調査を現在にいたるまで継続し、ツタンカーメン王の側近であったマヤの墓の調査など、世界をリードする研究も多数進められています。

古代エジプト展のみどころ

棺を立てて展示

ライデン国立古代博物館の常設展示の様子

ライデン国立古代博物館の常設展示の様子

今回、ミイラ棺の研究で世界的に知られるライデン国立古代博物館所蔵の貴重なミイラ棺10数点の借用が実現しました。 これだけの棺を一堂に展示する機会は国内で他に例がありません。

さらに本展では棺を横に寝かせた状態ではなく、12点の棺を特別に立てた状態で立体的に展示する予定です。
それにより、棺に記された「死者の書」などの呪文やさまざまな神々の図像、さらには精緻な装飾や制作の技法、色彩の豊かさや書体の違いまでを間近に見ることが可能になります。

近年新装なったライデンでの常設展示をイメージし、本展では一挙に棺が並ぶ幻想的かつ圧巻の空間を演出し、当時の人びとの死生観へと観客を誘います。

棺に書かれた装飾の意味

棺に書かれた装飾の意味

これらの棺は死者のミイラを物理的かつ呪術的に保護するものとして制作され、墓に納められました。当時のエジプトでは貴重だった木材や、パピルスや亜麻布を漆喰などで重ねたカルトナージュなどを用い、入れ子にした複数の棺も作られました。

死後も来世での生活が続くと考えた古代エジプト人は、棺に多くの神々や死者の安寧を願う呪文を記したほか、棺を一つの宇宙的な存在と考え、「母」であるとともに天空の女神でもあったヌウトや、再生復活のシンボルであるスカラベなどが描かれることもありました。

本展では多くの棺を一堂に展示することで、装飾や神々の姿、呪文の変化などから人びとと来世の関わりが移り変わっていくさまを紹介します。

本展出品のミイラのCTスキャンの研究成果を 世界初公開!

2019年11月14日にアムステルダム・メディカル・センターで行なわれたミイラのCTスキャンの様子

2019年11月14日にアムステルダム・メディカル・センターで行なわれたミイラのCTスキャンの様子

ミイラ研究の紹介

ライデン国立古代博物館には、多くの人間や動物のミイラが所蔵されています。
世界の美術館・博物館の中には、ミイラに巻かれた布を研究目的でほどいてしまう事例もありましたが、同館の初代館長J.C. ルーヴェンスは将来的な技術の進歩を予見し、ミイラを傷つけることなく保存することを決めました。
そのため同館が所蔵するミイラ・コレクションは、その大半が完全に布で包まれた、非常に良好な状態で保存されています。

同館では、1950年代から1960年代にX線による研究が、そして1990年代には、所蔵するミイラ・コレクションに当時まだ非常に稀であったCTスキャンが実施されました。近年では、最先端の技術を用いたCTスキャンによってさらに詳細な研究が行われています。
今回、本展に出品されるミイラの中から人間のミイラ3体と動物のミイラ1体を選び、本展のために最新のCTスキャン技術で調査を行い、その成果を世界初公開します。

CTスキャンの成果

CTスキャン(コンピュータ断層撮影)では、巻かれた包帯をはがさずにエジプトのミイラを詳しく調べることが可能です。
人間のミイラでは歯や骨の状況が生前の食生活や死亡時の年齢を推定する大きな手助けとなるとともに、多くの断層写真からさまざまな疾患に関する手掛かりを得ることができます。

またミイラの制作に関する情報も得られ、本展でスキャンの結果を世界初公開する3体の人間のミイラからは、1体にいくつもの護符が置かれていたこと、そして残る2体には、腹腔内に土製と見られる不明の物体が収められていたことが判明しました。
さらには、蛇と見られるミイラをスキャンした結果、歯の形状からエジプトでは非常に珍しいコブラであった可能性を紹介します。

開催場所 愛知県美術館
料金 平日限定券と土日祝・日時指定券あり。
開催日 2020年9月19日(土)~12月6日(日)
休館日は、9月23日(水)、10月5日(月)、19日(月)、11月2日(月)、16日(月)。金曜日は午後8時まで(入場は閉館30分前まで)。
開催時間 10:00~18:00
電話番号 050-5542-8600 ハローダイヤル
住所 名古屋市東区東桜1-13-2愛知芸術文化センター10階
交通アクセス [車]名古屋高速都心環状線「東新町」出口から3分[公共交通]地下鉄東山線・名城線「栄」駅/名鉄瀬戸線「栄町」駅下車、オアシス21連絡通路利用徒歩3分
駐車場 512台
愛知芸術文化センター地下3階~地下5階 30分毎に300円(税込)
ホームページ 公式ホームページ

出典:https://leidenegypt.jp/