徳川美術館「怪々奇々-鬼・妖怪・化け物」

怪々奇々-鬼・妖怪・化け物 Uncategorized

徳川美術館内の名古屋市蓬左文庫展示室で、企画展「怪々奇々-鬼・妖怪・化け物」が開催されます。

かつて人々は、死後の世界や、寝静まった後の夜の時間、暗い闇の向こう側、普段立ち入らない場所、他人の心の中など、見えない領域に潜む恐怖を、鬼や幽霊、妖怪といった、人には理解できない不可思議な存在に置き換えてきました。

物語の中で、化け物たちは人々を驚かせたり、怖がらせたりしているほか、絵画として描かれれば、ユニークな姿で人々の目を楽しませたりもしてきました。

同展覧会では、絵巻物などの古典文学に記された怪奇現象から、鬼や幽霊、妖怪といった、異形の者たちの世にも奇妙で愉快な世界が紹介されます。
古典文学に記された怪奇現象から、幽霊や鬼、妖怪といった、異形の者たちの世界をご紹介します。

「怪々奇々-鬼・妖怪・化け物」主な展示品

青窓紀聞 水野正信編 二百四冊の内 巻二八

青窓紀聞 水野正信編 二百四冊の内 巻二八

『青窓紀聞』は、尾張藩大道寺家の用人・水野正信による当時の様々な出来事の記録です。水野は、天保14年(1843)、肥後国天草郡(現・熊本県天草市)に光をまとって現れ夜な夜な猿の声で人を呼んだ妖怪が、「我は海中に住む、あま彦と申すものなり。今年から6年間、豊作になるが、国々で病が多発して、人間は六割が死んでしまう。けれども我の姿を書き見る者は無病長寿となる。このことを早く諸国に伝えよ。」と言って姿を消したらしいと記しています。
最近話題となった「アマビエ」は弘化3年(1846)頃に登場したため、アマビコが写し間違えられて誕生したとも言われています。

【江戸時代 19世紀 名古屋市蓬左文庫蔵】

徒然草絵巻 十二巻の内 巻三

徒然草絵巻 十二巻の内 巻三

鎌倉時代の応長年間(1311~12)に、京に現れた鬼を見ようと人々が方々に出かけ、しまいには喧嘩がおきた、という話を描いた場面です。当時、数日間続く病に苦しむ人が増え、鬼はその前触れだったのではないかと言う人もいた、と締めくくられています。

【江戸時代 17-18世紀 ※展示期間:7/18(土)~8/18(火)】

大江山絵巻(酒呑童子絵巻) 三巻の内 中巻

大江山の酒呑童子を源頼光(よりみつ)・渡辺綱(つな)らが退治する物語です。中世には、政権に従わない人々が鬼に見立てられていたともされ、『酒呑童子』の鬼のイメージには、山賊などの姿が重ねられていたとも言われます。

【江戸時代 17世紀 ※会期中巻き替えあり】

日高川草紙絵巻 模本

日高川草紙絵巻 模本

三井寺の僧・賢学は、出雲明神の託宜(たくせん)で、自分と遠江国橋本(現・静岡県浜松市)の長者の娘が、前世の因縁から結ばれると知り、修行の妨げになることを怖れ、幼い娘を刺して逃げます。一命をとりとめた娘は成長し、清水寺(京都市東山区)に参籠していたところ、賢学と会い契りを結んでしまいます。賢学は以前に自分が殺そうとした娘であること事を知り、娘を捨てて熊野参詣に向かいます。娘は紀伊国(和歌山県)の日高川を渡り後を追い、しだいに蛇身に姿を変え、捕らえた賢学を水底に引きずり込みます。

【江戸時代 18-19世紀 ※会期中巻き替えあり】

百鬼夜行絵巻 模本 二巻の内 上巻

古器物から変化したつくも神のような妖怪や鬼が大量に描かれた絵巻です。大徳寺真珠庵(京都市北区)所蔵の作品が、室町時代に遡る最古本として著名で、本品はその写し(模本)です。さまざまな姿の妖怪たちが行進する有様は、不気味でありながらも躍動感があり、妖怪たちの表情も楽しげです。最後は、巨大な火の玉が現れ、妖怪たちが逃げていく姿で終わります。

【江戸時代 18-19世紀 ※会期中巻き替えあり】

百鬼夜行絵巻 模本 二巻の内 上巻

古器物から変化したつくも神のような妖怪や鬼が大量に描かれた絵巻です。大徳寺真珠庵(京都市北区)所蔵の作品が、室町時代に遡る最古本として著名で、本品はその写し(模本)です。さまざまな姿の妖怪たちが行進する有様は、不気味でありながらも躍動感があり、妖怪たちの表情も楽しげです。最後は、巨大な火の玉が現れ、妖怪たちが逃げていく姿で終わります。

【江戸時代 18-19世紀 ※会期中巻き替えあり】

名称 企画展 怪々奇々-鬼・妖怪・化け物…-(かいかいきき おに ようかい ばけもの)
所在地 〒461 – 0023 愛知県名古屋市東区徳川町1017
開催期間 2020年7月18日~9月13日  10:00~17:00(入館は16:30まで) ※休館日は毎週月曜(8月10日は開館、8月11日は休館)
開催場所 名古屋市 徳川美術館 名古屋市蓬左文庫展示室
交通アクセス JR中央本線「大曽根駅」南口から徒歩10分、またはJR「名古屋駅」から基幹2系統の市バス「徳川園新出来」~徒歩3分
主催 徳川美術館、名古屋市蓬左文庫
料金 一般1400円、大高生700円、中小生500円(毎週土曜は高校生以下無料) ※特別展「漆」との共通料金
問合せ先 徳川美術館 052-935-6262
ホームページ https://www.tokugawa-art-museum.jp/

出典:徳川美術館